コツメカワウソ
Aonyx cinereus
総合評価
- 高
- 中
- 低
この動物をペットにすることには高いリスクが伴います。再検討を強く勧めます。
この動物のペット飼育には、中程度のリスクがあります。そのリスクを理解した上で飼育者としてきちんと責任を果たせるか、よく考えて判断してください。
この動物をペットにすることのリスクは低いでしょう。しかし、どのような動物であっても命を預かる重い責任があることを忘れないでください。
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保全
リスク保全
リスクペット利用を目的とした野生個体の捕獲(繁殖のための捕獲や囲い込みを含む)により絶滅のおそれが高まるリスク -
飼育の合法性
リスク飼育の合法性
リスク違法な捕獲・取引(売買や譲渡譲受)や飼育など飼い主の住む国や地域の法令に抵触するリスク -
健康・公衆衛生
リスク健康・公衆衛生
リスクペット飼育により飼い主や周囲の人々が健康上の影響を受けるリスク及びペット由来の大規模感染症を引き起こすリスク -
動物福祉
リスク動物福祉
リスクペットを適切に飼育しない/できないことで動物福祉を満たせないリスク -
外来種
リスク外来種
リスクペットが野生化し、飼い主の住む地域の生態系や人の生活に悪影響を与えるリスク
アイコンにマウスを合わせると、
こちらに説明が表示されます。
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ここに注意!
- ペット目的の輸入は禁止。日本国内で取引できるのは登録済み個体のみです。
- 密猟や日本向けの密輸が確認されています。
- 狂犬病やイヌパルボウィルスへ感染するおそれがあります。
- 鋭い犬歯と強力な顎を持つため、噛まれるとひどい怪我を負う場合があります。
- 飼育下における適切な餌がまだわかっておらず、腎結石になる個体が多くいます。
- 社会性の高い動物なのでよく鳴き声を発します。
- 独特の強烈な臭いのあるフンをします。
- いつでも泳ぎまわることができる環境が必要です。
基本情報
- 分類
- 食肉目イタチ科
- 生息地
- 東南アジアおよび南アジアの森林、湿地、水辺に棲んでいます。
- 体の大きさ
- 頭胴長:40~63.5cm
尾長:25~30cm
体重:2.7~5.4Kg - 寿命
- 野生での寿命は良く分かっていません。飼育下では、11年程です。
- 食性
- 器用な前肢を使って貝・甲殻類中心に魚類や両生類を捕獲して食べます。
- 生態・特徴
- 社会性が高く、様々な鳴き声でコミュニケーションを取りながら家族単位で行動します。貝や甲殻類の殻を嚙み砕くのに適した、強い歯と顎を持っています。
専門家からのひとこと
カワウソ類の中では一番小型で見た目も可愛らしく、遊び好きで愛嬌のある動物です。しかし、甲殻類を嚙み砕く鋭い犬歯と丈夫な顎を持つため、咬まれると大けがをします。また野生下では広範囲を移動し、器用な前肢で餌を探します。その要求を満たす広い飼育スペースや十分に泳ぐことのできる水場を確保し、豊富な種類の餌を準備することは困難です。そして、もし病気になってもコツメカワウソを適切に診てくれる動物病院はほとんどありません。また、もし外へ逃げ出した場合、陸地でも水中でも高い運動能力を示すため、捕獲することは困難です。以上のことから、家庭での飼育には不向きと言えます。そして、忘れてはいけないのは、近年のペットブームが原因で密猟により生息数が激減し、絶滅の恐れがあるということです。
参考情報
評価方法
ペット適性の評価は、5つのリスクの高低という観点で独自に作成した基準を用いて野生生物の保全と取引の専門家チームが、各分野の専門家の意見を得ながら実施したものです。
対象としたのは、エキゾチックペット(ペットとして取引・飼育されている犬・猫以外の動物)です。
この評価は、種/グループレベルで行っているため、個体ごとに状態が異なる点は評価に含めていません。こうした個体の状態がペット飼育に伴うリスクに影響する点は「飼い主チェック」で把握できるようにしています。
また、合法性リスクの評価基準には、生息地での密猟や密輸の可能性・深刻度は含まれていません。これらは、非常に重要な点ですが、使用できる適切な情報が不足していると判断したためです。
評価基準の作成には、各国各分野の専門家の協力を仰ぎました。今後も関連する法令の改訂や知見の蓄積に伴い、適宜基準の改訂及び再評価を行う予定です。