リスク評価とは?

どのような動物でもペットとして飼うことには、リスクがあります。ペットに噛まれて怪我を負ったり、誤った世話でペットを病気にしてしまったりするかもしれません。絶滅のおそれが高い動物がペットとして販売されていることもあります。ここでは、環境や健康への影響など5つのリスクを動物種ごとに評価し、総合結果を示します。

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コツメカワウソ

Aonyx cinereus
©高知県立のいち動物公園

総合評価

この動物をペットにすることには高いリスクが伴います。再検討を強く勧めます。
この動物のペット飼育には、中程度のリスクがあります。そのリスクを理解した上で飼育者としてきちんと責任を果たせるか、よく考えて判断してください。
この動物をペットにすることのリスクは低いでしょう。しかし、どのような動物であっても命を預かる重い責任があることを忘れないでください。
この動物をペットとして飼育することについて、5つの観点で評価しました。赤いアイコンは、該当するリスクが高いことを意味します。
  • 保全
    リスク
  • 飼育の合法性
    リスク
  • 健康・公衆衛生
    リスク
  • 動物福祉
    リスク
  • 外来種
    リスク
アイコンにマウスを合わせると、
こちらに説明が表示されます。
ここに注意!
  • ペット目的の輸入は禁止。日本国内で取引できるのは登録済み個体のみです。
  • 密猟や日本向けの密輸が確認されています。
  • 狂犬病やイヌパルボウィルスへ感染するおそれがあります。
  • 鋭い犬歯と強力な顎を持つため、噛まれるとひどい怪我を負う場合があります。
  • 飼育下における適切な餌がまだわかっておらず、腎結石になる個体が多くいます。
  • 社会性の高い動物なのでよく鳴き声を発します。
  • 独特の強烈な臭いのあるフンをします。
  • いつでも泳ぎまわることができる環境が必要です。
© Gerald S. Cubitt / WWF
専門家からのひとこと
カワウソ類の中では一番小型で見た目も可愛らしく、遊び好きで愛嬌のある動物です。しかし、甲殻類を嚙み砕く鋭い犬歯と丈夫な顎を持つため、咬まれると大けがをします。また野生下では広範囲を移動し、器用な前肢で餌を探します。その要求を満たす広い飼育スペースや十分に泳ぐことのできる水場を確保し、豊富な種類の餌を準備することは困難です。そして、もし病気になってもコツメカワウソを適切に診てくれる動物病院はほとんどありません。また、もし外へ逃げ出した場合、陸地でも水中でも高い運動能力を示すため、捕獲することは困難です。以上のことから、家庭での飼育には不向きと言えます。そして、忘れてはいけないのは、近年のペットブームが原因で密猟により生息数が激減し、絶滅の恐れがあるということです。
のいち動物公園コツメカワウソ飼育担当
ペット飼育に、
飼い主の経験や環境が大きく影響します
あなたの飼育経験、ライフスタイルや動物の由来などによってもペットを飼うことの難易度や飼育に伴うリスクは変化します。
チェックしてみよう!

参考情報

評価方法

 ペット適性の評価は、5つのリスクの高低という観点で独自に作成した基準を用いて野生生物の保全と取引の専門家チームが、各分野の専門家の意見を得ながら実施したものです。
 対象としたのは、エキゾチックペット(ペットとして取引・飼育されている犬・猫以外の動物)です。
 この評価は、種/グループレベルで行っているため、個体ごとに状態が異なる点は評価に含めていません。こうした個体の状態がペット飼育に伴うリスクに影響する点は「飼い主チェック」で把握できるようにしています。
 また、合法性リスクの評価基準には、生息地での密猟や密輸の可能性・深刻度は含まれていません。これらは、非常に重要な点ですが、使用できる適切な情報が不足していると判断したためです。
 評価基準の作成には、各国各分野の専門家の協力を仰ぎました。今後も関連する法令の改訂や知見の蓄積に伴い、適宜基準の改訂及び再評価を行う予定です。

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