フクロウ
Strix uralensis
総合評価
- 高
- 中
- 低
この動物をペットにすることには高いリスクが伴います。再検討を強く勧めます。
この動物のペット飼育には、中程度のリスクがあります。そのリスクを理解した上で飼育者としてきちんと責任を果たせるか、よく考えて判断してください。
この動物をペットにすることのリスクは低いでしょう。しかし、どのような動物であっても命を預かる重い責任があることを忘れないでください。
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保全
リスク保全
リスクペット利用を目的とした野生個体の捕獲(繁殖のための捕獲や囲い込みを含む)により絶滅のおそれが高まるリスク -
飼育の合法性
リスク飼育の合法性
リスク違法な捕獲・取引(売買や譲渡譲受)や飼育など飼い主の住む国や地域の法令に抵触するリスク -
健康・公衆衛生
リスク健康・公衆衛生
リスクペット飼育により飼い主や周囲の人々が健康上の影響を受けるリスク及びペット由来の大規模感染症を引き起こすリスク -
動物福祉
リスク動物福祉
リスクペットを適切に飼育しない/できないことで動物福祉を満たせないリスク -
外来種
リスク外来種
リスクペットが野生化し、飼い主の住む地域の生態系や人の生活に悪影響を与えるリスク
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こちらに説明が表示されます。
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ここに注意!
- 法律で国内に生息するフクロウの捕獲は禁止されています。
- 日本国内でペットとしての違法取引の事例があります。
- 人獣共通感染症である鳥インフルエンザに感染する恐れがあります。
- 飼育には広いスペースが必要です。
- 夜行性の動物です。
- 飼育環境によっては、爪やくちばしの定期的な手入れを行う必要があります。
基本情報
- 分類
- フクロウ目フクロウ科
- 生息地
- ヨーロッパ、アジアの森林
- 体の大きさ
- 全長:50~59cm
翼開長:115cm(オス)、125cm(メス)
体重:540~730g(オス)、720~1200g(メス) - 寿命
- 野生、飼育下とも、23年超という記録があります。
- 食性
- 主にネズミなど小型哺乳類を食べます。ノウサギくらいまでの大きさの他の哺乳類や鳥類も獲物となります。
- 生態・特徴
- 夜行性の留鳥で、湿度のある混交林を好みます。繁殖は、木の洞で行います。巣の周辺に近づくものは人間も含め、激しく攻撃します。縄張りを主張するテリトリーコールと呼ばれる鳴き声は、2Km先からも聞こえます。
専門家からのひとこと
昼間はほとんど休息しており日が沈むと活動します。鳴き声が大きく、繁殖期には盛んに鳴きます。神経質で臆病な性格をしているので人に馴れることが難しく、ふれあいがストレスになります。大きな動きや音が苦手で、飼育スペースが狭いと驚いた拍子に飛び上がって怪我をするおそれがあります。頻繁に排泄をし、特に盲腸便はべっとりとしていて臭いも強烈です。また、換羽した羽毛やフケ等が多量に飛散し、ペリットを吐き出すなど飼育環境を清浄に保つことが難しいです。力も強く、鋭い爪やくちばしで攻撃された場合、思わぬ大けがをする危険性が高いです。飼育下では、マウスやヒヨコなどが主な餌ですが、単一のものばかり与えていると栄養が偏り栄養失調になるおそれがあります。
参考情報
評価方法
ペット適性の評価は、5つのリスクの高低という観点で独自に作成した基準を用いて野生生物の保全と取引の専門家チームが、各分野の専門家の意見を得ながら実施したものです。
対象としたのは、エキゾチックペット(ペットとして取引・飼育されている犬・猫以外の動物)です。
この評価は、種/グループレベルで行っているため、個体ごとに状態が異なる点は評価に含めていません。こうした個体の状態がペット飼育に伴うリスクに影響する点は「飼い主チェック」で把握できるようにしています。
また、合法性リスクの評価基準には、生息地での密猟や密輸の可能性・深刻度は含まれていません。これらは、非常に重要な点ですが、使用できる適切な情報が不足していると判断したためです。
評価基準の作成には、各国各分野の専門家の協力を仰ぎました。今後も関連する法令の改訂や知見の蓄積に伴い、適宜基準の改訂及び再評価を行う予定です。