カイウサギ
Oryctolagus cuniculus domesticus

総合評価
- 高
- 中
- 低
この動物をペットにすることには高いリスクが伴います。再検討を強く勧めます。
この動物のペット飼育には、中程度のリスクがあります。そのリスクを理解した上で飼育者としてきちんと責任を果たせるか、よく考えて判断してください。
この動物をペットにすることのリスクは低いでしょう。しかし、どのような動物であっても命を預かる重い責任があることを忘れないでください。
この動物をペットとして飼育することについて、5つの観点で評価しました。赤いアイコンは、該当するリスクが高いことを意味します。
-
保全
リスク保全
リスクペット利用を目的とした野生個体の捕獲(繁殖のための捕獲や囲い込みを含む)により絶滅のおそれが高まるリスク -
飼育の合法性
リスク飼育の合法性
リスク違法な捕獲・取引(売買や譲渡譲受)や飼育など飼い主の住む国や地域の法令に抵触するリスク -
健康・公衆衛生
リスク健康・公衆衛生
リスクペット飼育により飼い主や周囲の人々が健康上の影響を受けるリスク及びペット由来の大規模感染症を引き起こすリスク -
動物福祉
リスク動物福祉
リスクペットを適切に飼育しない/できないことで動物福祉を満たせないリスク -
外来種
リスク外来種
リスクペットが野生化し、飼い主の住む地域の生態系や人の生活に悪影響を与えるリスク
アイコンにマウスを合わせると、
こちらに説明が表示されます。
こちらに説明が表示されます。
ここに注意!
- 世界の侵略的外来種ワースト100に挙げられる動物であるため、逃がさないよう特に注意が必要です。
- パスツレラ症などの人獣共通感染症が知られています。
- 汗腺が少なく暑さに弱いため、夏場は高温対策が必須です。
- 社会性の高い動物であることに配慮した飼育が必要です。

基本情報
- 分類
- ウサギ目ウサギ科
- 生息地
- 原種の生息地は、ヨーロッパのイベリア半島ですが、ヨーロッパの他の地域、アフリカ北西部、オセアニアや南米に移入されています。
- 体の大きさ
- 体長:40~50cm
体重:2~4kg(最小品種1~最大品種8kg)
サイズは、品種により大きく異なります。 - 寿命
- 飼育下では平均9年。18年以上生きた記録もあります。
- 食性
- 草食動物です。牧草を主食として、専用の配合飼料と野菜を副食として与えます。
- 生態・特徴
- ヨーロッパアナウサギを家畜化した動物です。穴を掘って群れで暮らすという野生種の性質を色濃く残し、高い社会性を持ちます。朝や夕方により活発になります。効率よく栄養を吸収するために、盲腸糞を食べます。
専門家からのひとこと
愛玩動物としての長い歴史があります。温和な性格のため、人をかむことも稀で、ペットに適しています。小型種から大型種まで品種も数多く、長毛種なども人気があります。夜に活動的になります。社会性も高いため、活動的な時間帯にケージから出して運動させたり、飼い主が一緒に遊んだりする必要があります。なお、メスの発情期は頻繁に見られ、休止期が短いことから、容易に繁殖もします。雌雄で飼育する際には、きちんとした繁殖計画を立てなければいけません。
(一社)日本コンパニオンラビット協会代表理事
獣医師 霍野 晋吉さん
獣医師 霍野 晋吉さん
参考情報
評価方法
ペット適性の評価は、5つのリスクの高低という観点で独自に作成した基準を用いて野生生物の保全と取引の専門家チームが、各分野の専門家の意見を得ながら実施したものです。
対象としたのは、エキゾチックペット(ペットとして取引・飼育されている犬・猫以外の動物)です。
この評価は、種/グループレベルで行っているため、個体ごとに状態が異なる点は評価に含めていません。こうした個体の状態がペット飼育に伴うリスクに影響する点は「飼い主チェック」で把握できるようにしています。
また、合法性リスクの評価基準には、生息地での密猟や密輸の可能性・深刻度は含まれていません。これらは、非常に重要な点ですが、使用できる適切な情報が不足していると判断したためです。
評価基準の作成には、各国各分野の専門家の協力を仰ぎました。今後も関連する法令の改訂や知見の蓄積に伴い、適宜基準の改訂及び再評価を行う予定です。