インドホシガメ
Geochelone elegans

総合評価
- 高
- 中
- 低
この動物をペットにすることには高いリスクが伴います。再検討を強く勧めます。
この動物のペット飼育には、中程度のリスクがあります。そのリスクを理解した上で飼育者としてきちんと責任を果たせるか、よく考えて判断してください。
この動物をペットにすることのリスクは低いでしょう。しかし、どのような動物であっても命を預かる重い責任があることを忘れないでください。
この動物をペットとして飼育することについて、5つの観点で評価しました。赤いアイコンは、該当するリスクが高いことを意味します。
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保全
リスク保全
リスクペット利用を目的とした野生個体の捕獲(繁殖のための捕獲や囲い込みを含む)により絶滅のおそれが高まるリスク -
飼育の合法性
リスク飼育の合法性
リスク違法な捕獲・取引(売買や譲渡譲受)や飼育など飼い主の住む国や地域の法令に抵触するリスク -
健康・公衆衛生
リスク健康・公衆衛生
リスクペット飼育により飼い主や周囲の人々が健康上の影響を受けるリスク及びペット由来の大規模感染症を引き起こすリスク -
動物福祉
リスク動物福祉
リスクペットを適切に飼育しない/できないことで動物福祉を満たせないリスク -
外来種
リスク外来種
リスクペットが野生化し、飼い主の住む地域の生態系や人の生活に悪影響を与えるリスク
アイコンにマウスを合わせると、
こちらに説明が表示されます。
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ここに注意!
- ペット目的の輸入は禁止。日本国内で取引できるのは登録済み個体のみです。
- 密猟や日本向けの密輸が確認されています。
- 寿命が長いので、飼いきれなくなるケースが多く発生しています。
- 温度・湿度の管理及び爬虫類専用紫外線ライトの設置を適切に行い、飼育施設内に温度勾配を作る必要があります。停電時の備えも必須です。
- 餌には爬虫類専用総合ビタミン剤、カルシウム剤を添加する必要があります。
- たんぱく含有量の高い餌を与えると結石の原因となります。
- サルモネラ症の原因菌を保有している可能性があります。

©横浜市立野毛山動物園
インドホシガメ孵化直後

©横浜市立野毛山動物園
基本情報
- 分類
- カメ目リクガメ科
- 生息地
- 南アジア(インド、パキスタン、スリランカ)の森林、低灌木、草原
- 体の大きさ
- 甲長:15~38cm
体重:1~6.6kg - 寿命
- 野生では30~80年生きる個体もいると考えられています。飼育下では25年程です。
- 食性
- 食事の大半は草、草本の葉、果実、花ですが、昆虫、腐肉、動物の糞を食べることもあります。乾燥した暑い時期など、餌が乏しくなると活動を休止し、長い間食事をとらなくなります。
- 生態・特徴
- 気温の高い時期は、早朝から夕方にかけて活動し、それ以外は休んでいます。雨季には活発になり、一日の大半を動き回って餌を食べます。地域によっては、気温の低い時期には活動しなくなります。
専門家からのひとこと
2019年にワシントン条約付属書Ⅰに掲載されて商業目的の輸出入ができなくなりましたが、それ以前は国内でピンポン玉サイズの子ガメがたくさん売られていました。飼育温度や湿度の設定が難しく、長生きをさせるのが難しいカメとして消費的飼育が行われていた歴史があります。現在では国内で繁殖された登録票付の個体が売られていますが、そもそも高価なのでそう簡単には買えません。飼う場合には飼育環境をしっかり整えてやる必要があります。また、高たんぱくの餌(肉、ドッグフード、マメ科の雑草や小松菜など)を与え続けると膀胱結石ができやすいカメでもあり、結石が大きくなると外科手術が必要になってくるなど、かなり飼育難易度の高いリクガメです。
横浜市繁殖センター
桐生大輔さん
桐生大輔さん
参考情報
評価方法
ペット適性の評価は、5つのリスクの高低という観点で独自に作成した基準を用いて野生生物の保全と取引の専門家チームが、各分野の専門家の意見を得ながら実施したものです。
対象としたのは、エキゾチックペット(ペットとして取引・飼育されている犬・猫以外の動物)です。
この評価は、種/グループレベルで行っているため、個体ごとに状態が異なる点は評価に含めていません。こうした個体の状態がペット飼育に伴うリスクに影響する点は「飼い主チェック」で把握できるようにしています。
また、合法性リスクの評価基準には、生息地での密猟や密輸の可能性・深刻度は含まれていません。これらは、非常に重要な点ですが、使用できる適切な情報が不足していると判断したためです。
評価基準の作成には、各国各分野の専門家の協力を仰ぎました。今後も関連する法令の改訂や知見の蓄積に伴い、適宜基準の改訂及び再評価を行う予定です。